苺畑でつかまえて

カツ&サリー、闘いの記録

世間は冷たい

リハビリ病院を退院した直後の私達はよく散歩をした。
数カ月もずっと病院に閉じ込められていたカツは
「外」に出るのを心待ちにしていた。

隣駅近くの公園まで行って
ハトにパンのミミをあげたりしてた。
最近のハトはあまり人間を怖がらへんから
カツの足元や膝の上までやって来た。
カツの手から直接エサをつつくのもおった。
カツは動物が好きやから、結構喜んどった。

でもある日、急に「もう行かない。」と言い出した。
「なんで?」
「だってガキどもがジロジロ見るから。」

確かに、そうやねん。
珍しい生き物を見る様な、好奇の目。

「昔もジロジロ見られたけど、それはただ単に派手な格好だったから。」
「今の俺は、珍獣と同じ。」
「サリーも俺と一緒にいたら変な目で見られて嫌でしょ?」

そんな事ある訳ないやん!!
私は一緒に散歩できる様になったのがめっちゃ嬉しかったのに。

それからこんな事もあった。

カツは買い物も好きやった。
二人でやや大きめのスーパーに行って
(小さいスーパーやコンビニやと車椅子が通路を通られへんから。)
カツの膝に買い物カゴを乗っけて
「今日は何が食べたい?」とか話して。

ある日、家の近くに大きなスーパーが出来て
「ちょっと見に行ってみようか?」って事になって
何を買うって訳やないけど出かける事にしたんや。
でも時間帯が悪かった。
開店直後っていうせいもあって、店内はかなりの人。
そしてレジには黒山の人だかり。
私達は人々に取り囲まれて、身動きが出来ひんようになってもうた。
私は必死にカツを店の外に出そうとした。

その時やった。
ちょっとバックした瞬間に、女の人の足を轢いてもうたんや。
「あ、すみません。」と言って
それから何とか店の外に出る事ができた。

店の外にでたとたん
「ちょっと、あなた!」と呼び止められた。
さっき足を轢いた女の人やった。

「人の足轢いておいて、すみません、ってだけでどういうつもり!!」
とえらい剣幕で怒りだした。
カツの車椅子は電動やから、それだけで60キロくらいはある。
それにプラス、カツの体重もあるからゆうに100キロは超える。
そやからまあ、よっぽど痛かったんやろう。
私は丁重にお詫びした。

に、しても、怒鳴る事はないやろ。
しかも夕飯前の買い物客がごったがえす店の出入り口で。

カツは隣でしょんぼりと頭をたらしていた。
それから「二度と買い物には行かない。」と言った。

以来、本当にカツは外に出るのを嫌がる様になった。
仕方なく外出する時も、私の買い物が終わるまで店の外で待ってる様になった。
たまに私が無理矢理店の中に連れて入る事もあるけど
そういう時は、隅っこの方の「人の邪魔にならない所」でじっとしてる。
特に入り口に段差のある店には車椅子は入れない。
「この店は身障者お断りって書いてある。」と言う。

ふざけんな。
カツは犬やない。
何で店の外で待たなあかんねん。
カツかって好きで車椅子に乗ってるんとちゃうねん。

ちょっとした行動や言葉がカツの心を傷つける。
そやけど、そんな事に負けとったらあかんって私は思う。
私やったら絶対に負けへんのになあ。

もうちょっと強くならんとな、カツ。

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Author:katsutsun
若くして脳幹出血に倒れ、中途障害者となったカツの毒舌ブログ。

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